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第5章 5

もう片方の手はショーツのゴムにかけられた。
紫遠は無言で薄く腰を上げ、彼は素早く下ろしてくれた。
無粋なやりとりなどなくとも、二人の気持ちは通い合う。

神経は全て舐められているところに集中していた。
内股ギリギリのところで一度だけ止まり、すぐに動き出して柔らかな濡れ処を舐められた。

「ここが一番美しい……」
「言わないで、お願い……」
「それに凄く、紫遠さんの香りがする」
「馬鹿っ……」

遼平の舌が陰唇を捲り、薄紅色の粘膜を舐める。
恥ずかしさが勝って愉悦など味わえなかった。
彼の手を握り、されるがままに恥部を愛でられる。

舌先は強く、捻こむように細穴を誑（たぶら）かしてきた。
そこを夫に舐められたことはあるが、大抵はすぐに終わる。ぺろりと舐めて「盛り雌の味だ」などと詰られるだけだった。
遼平は大切な何かを舌で拾おうとしているかのように丁寧で執拗に舐めてくれた。