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第5章 5

「ちょっと座ってみようか」
「あっ……」

繋がったまま起き上がり、正面から向かい合う格好で抱き締め合う。

背中に回された彼の腕がきつく絞られ、引き抜くように持ち上げられては落とされた。
もちろんそれだけではなく、彼の腰も突き上げてくる。

「あうぅうっ！」

落とされた瞬間に突き上げられ、奥がぶちゅっと潰され、さすがに声を上げてしまった。
紫遠の反応が嬉しかったのか、遼平は何度も持ち上げては落とし、腰をぶつけてくる。

「ふっ……ふうっ……あぁっ……」

逃れようのない快楽の波状に、髪を振り乱してもがく。いくら暴れようが彼の腕の中は食虫植物のように逃れようがなかった。

「も、もう赦してっ……お願い……しますっ……ああっ！」

彼の背中を爪が食い込むほど激しく掻き毟ってしまう。

「可愛い……大好きです、紫遠さん」
「言わないでっ……お願い……」

これ以上心を締め付けられたくなくて、彼の唇をキスで塞ぐ。
舌の絡まりが気持ちの絡まりを表していた。
向かい合って抱き締め合うというこの体勢で愛し合うのは初めてだった。
愛しさをぶつけ合えるこの体位が病みつきになりそうで怖い。