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あなたが教えてくれたこと
第6章 6
部屋に入ってきた正嗣は濡れた髪も乾いていないほど、性急だった。
束縛具のあるベッドに押し倒され、両手足首が固定されてしまう。躊躇う暇すら与えられなかった。

「これはお前への土産だ」

手に持っていたのは美しい極彩色の鳥の羽で作られたペンであった。

「それでいったい何をっ……あっ……」

ペン先ではなく羽の部分で脇腹から腋まで撫でられる。

「肌触りもいいだろう? このペンを見てお前が真っ先に浮かんだんだ。これで可愛がってやったら悦ぶだろうってな」
「あり、がとうっ……ございまっ……はぁっ……」

触れるか触れないかギリギリの距離で羽は滑っていく。腋から鎖骨、首筋へと、頬を伝いうなじから耳許へ。
蠢く度に掻痒感が皮膚の下を這いずり回った。
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