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さつき
第2章 シンヤくん
夏場のお昼前とはいえ、狭いアパートの中は結構暑い。

「ねえ、シンヤくん、窓開けていい?」

「そ、そうですね。暑くなってきましたね。安いアパートだから、エアコンとか、ついてなくて」

窓を開けると、少しだけ、風が入ってくる。

窓の方を向いて、外を見るふりをしながら、

「ふう、あまり、風も入ってこないわね」

薄いピンクのブラウスのボタンを外す。

一個、ええい、二個、外しちゃえ。

胸元まで、開いて、ちょっと、確認、うふ、ブラが、見えるか見えないかぐらい。

あまりにも、あからさまじゃあね~

「あら、おばさんの家のお風呂の窓が、見えるのね」

「えっ。そ、そうなんですか?へ~」

ん?なんか、動揺してる?

やだな~、覗いてたの?言ってくれれば、見せてあげたのに…

今度は、お風呂場の窓を、全開にしたゃおうかしら…

「すいませんね~、扇風機しかなくて」

あら、扇風機、大好きよ

シンヤくんが、扇風機のスイッチを入れてくれる。

シンヤくんの方を向くと、胸元に気づいたみたい。

チラッ、チラッと胸元をみてる。

うふ、見たい?もうちょっと、焦らしちゃえ。

見られてるの、気づかないふりして、

「あ~、風が気持ちいいわね」胸元に指を入れ、ブラウスをバタパタってしちゃった。

あは、目が釘付けになってる。

「ふう、ちょっとは、涼しくなってきたわね」

さっきより、シンヤくんに、近い場所に座る。

部屋を見回して、「若い男の人の部屋に入るのなんて、結婚以来、初めてじゃないかしら」なんて、大嘘ついちゃった。

「そんなに、見ないでくださいよ」

「え~、こんなこと、滅多にないんだもの、珍しくって」

「そ、そうですか?普通だと思うけど・・・」

「最近の男の子って、部屋がこんなに綺麗に片付いてるの?」

「う~ん、どうだろう?僕だって、この前、片付けたばっかりだから、そこそこ、綺麗なだけなんですけどね」

あら、残念。片付けなくても良かったのに。
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