この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
NEXT EXTRA
第1章 新居
「たっだいまーー!!!」
階段を駆け上がる音に、慌てて玄関まで移動して、羚汰を迎える。
「おかえり!」
まだまだ見慣れないスーツ姿の羚汰が、玄関に荷物を放り投げて、満面の笑みで飛び込んで抱きしめて来る。
変わらない、いつもの匂いに包まれる。
「お疲れ様」
「あー。ただいま。今日も疲れたぁーーー」
羚汰が耳の下あたりの首に顔を沈め、唇を肌につけるようにしたまま話すので、言葉を放つ度にくすぐったい。
「なんで逃げるのー」
逃げようとしたのに、かえってぎゅうっとされてしまった。
「くすぐったいんだもん!」
ここのところ随分と暖かくなってきたので、稜はもこもこのパーカーをやめて、首元が開いた部屋着を着ていた。
それがいけなかったらしい。
くすぐったいと聞いて、羚汰の目がきらりと光る。
やばい、と思った時には遅かったらしい。
唇が肌の上を「ぶー、ぶーっ」と音を立てながら履い回る。
「きゃはは!やだ、降参〜!」
笑いながらも必死で抵抗して羚汰の顔を引っペがす。
目が合うと、羚汰から目を瞑って唇を突き出す。
「んー」
稜からのキスを待ってるらしい。
もう。お味噌汁の火、弱火にはしてきたけど、かけたままなのに。
稜は、羚汰の唇に短くチュッと口づける。
「はい。リビング行こー」
「えー。もう終わり?短っ!はやっ!」
呆然と立ち尽くす羚汰の腕の中から逃れて、羚汰が床に投げたままのカバンを拾い上げる。
ぶーたれながらも、くるりと反転して靴を脱いでる。
それからいつものように手を繋いでリビングに向かった。
玄関入って廊下をくの字に曲がった先がリビングだ。
手前には寝室があって、その反対には風呂場やトイレがある。
築30数年の古い一戸建てだ。
一階は隣に住む家主さんの駐車場で。
大きなキャンピングカーと、昔ここに住んでいた息子さんの趣味のスポーツカーがあるらしい。
シャッターで中が見えないのでどんな車かは噂だけだ。
その2階部分が2LDKになっていて。
軽くリノベーションされている。
少し最寄り駅からは離れるが、周りに“音”で迷惑をかけない、独立した部屋というのが借りる決め手になった。
家主さんも儲けの為に貸してるというより、空いてるよりは、隣に住む訳だし、いい人に借りてほしい。という考えらしく。
と軽く面接があったくらいだ。
階段を駆け上がる音に、慌てて玄関まで移動して、羚汰を迎える。
「おかえり!」
まだまだ見慣れないスーツ姿の羚汰が、玄関に荷物を放り投げて、満面の笑みで飛び込んで抱きしめて来る。
変わらない、いつもの匂いに包まれる。
「お疲れ様」
「あー。ただいま。今日も疲れたぁーーー」
羚汰が耳の下あたりの首に顔を沈め、唇を肌につけるようにしたまま話すので、言葉を放つ度にくすぐったい。
「なんで逃げるのー」
逃げようとしたのに、かえってぎゅうっとされてしまった。
「くすぐったいんだもん!」
ここのところ随分と暖かくなってきたので、稜はもこもこのパーカーをやめて、首元が開いた部屋着を着ていた。
それがいけなかったらしい。
くすぐったいと聞いて、羚汰の目がきらりと光る。
やばい、と思った時には遅かったらしい。
唇が肌の上を「ぶー、ぶーっ」と音を立てながら履い回る。
「きゃはは!やだ、降参〜!」
笑いながらも必死で抵抗して羚汰の顔を引っペがす。
目が合うと、羚汰から目を瞑って唇を突き出す。
「んー」
稜からのキスを待ってるらしい。
もう。お味噌汁の火、弱火にはしてきたけど、かけたままなのに。
稜は、羚汰の唇に短くチュッと口づける。
「はい。リビング行こー」
「えー。もう終わり?短っ!はやっ!」
呆然と立ち尽くす羚汰の腕の中から逃れて、羚汰が床に投げたままのカバンを拾い上げる。
ぶーたれながらも、くるりと反転して靴を脱いでる。
それからいつものように手を繋いでリビングに向かった。
玄関入って廊下をくの字に曲がった先がリビングだ。
手前には寝室があって、その反対には風呂場やトイレがある。
築30数年の古い一戸建てだ。
一階は隣に住む家主さんの駐車場で。
大きなキャンピングカーと、昔ここに住んでいた息子さんの趣味のスポーツカーがあるらしい。
シャッターで中が見えないのでどんな車かは噂だけだ。
その2階部分が2LDKになっていて。
軽くリノベーションされている。
少し最寄り駅からは離れるが、周りに“音”で迷惑をかけない、独立した部屋というのが借りる決め手になった。
家主さんも儲けの為に貸してるというより、空いてるよりは、隣に住む訳だし、いい人に借りてほしい。という考えらしく。
と軽く面接があったくらいだ。