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第2章 ナミダのワケ
だから、帰るって言ってるだろ。
軽くイラっとしてしまう。
早く退散しよう。
素早く服を着ていく。
「でー、朝までここにいたらいいんじゃん。でー、始発で帰れば。ね、そうしよ!」
軽く、じゃなくなってきた。
ヤバいわ、こいつ。
放り投げていたカバンを、拾い上げドアに向かう。
「ごめんね」
「うそ!マジで行くの?信じられない!!」
勝手に提案して、勝手にキレ始めた。
まだドアの向こうで何やら叫んでいる。
勝手にやってろ。
だいたい、人と一緒のベッドに眠れない。
合宿みたいなのは一人ひとつの布団でまだマシなのだが、女のコと一緒に一つの布団に入って眠るのが苦手だ。
寝返りを打ったり、寝息どころかイビキをかかれたり。はたまた歯ぎしりなんかをされた日には、全く眠れなくなる。
だから、コトが終わったらとっとと退散することに決めている。
駅に向かいながら時間を確認すると、間に合うと思っていた終電の時間は1時間ほど前に過ぎている。
そうだった。
『RAN』にいた辺りで、日付が変わってたっけ。
タクシーで帰るのはやっぱり勿体ない気がして、『RAN』に戻ることにした。
きっとまだ店は開いている。
ドアを開けると、さっきの半分ぐらいの人数にはなっていたが、まだ客で賑わっていた。
早速酒を注文して、カウンターに座る。
「リョウ、戻ってきたんですか」
「大貴」
さっきとは違う女性と飲んでいた大貴がこちらに近付いてくる。
「あんなに口説きまくって落とした割に、早くないですか?」
口説きまくって?
そうだっけ?
気付いたらホテルに居て、その辺りの記憶はあまり無い。
「飲み過ぎですよ」
「お前こそ、さっきの子は?」
てっきり、同じように連れ去ったと思っていた。
「帰しました。俺、メンクイなんで」
にやりと笑って、何気に隣に座る。
そっちからこっちを睨む女は放っといていいのか。
「どうでした?」
「別に。...普通」
特段話題にしたくもない。
もう顔も覚えてないぐらいだ。
手にした酒をあおる。
今日は何を飲んでも美味しくない。
「瑞希は?」
「アイツは、やっぱり電話かかってきたんで」
実家に泊まっている奥さんから、すっかり見透かされていて、そろそろ帰るようにと連絡があったらしい。
飛ぶように帰ったとか。
軽くイラっとしてしまう。
早く退散しよう。
素早く服を着ていく。
「でー、朝までここにいたらいいんじゃん。でー、始発で帰れば。ね、そうしよ!」
軽く、じゃなくなってきた。
ヤバいわ、こいつ。
放り投げていたカバンを、拾い上げドアに向かう。
「ごめんね」
「うそ!マジで行くの?信じられない!!」
勝手に提案して、勝手にキレ始めた。
まだドアの向こうで何やら叫んでいる。
勝手にやってろ。
だいたい、人と一緒のベッドに眠れない。
合宿みたいなのは一人ひとつの布団でまだマシなのだが、女のコと一緒に一つの布団に入って眠るのが苦手だ。
寝返りを打ったり、寝息どころかイビキをかかれたり。はたまた歯ぎしりなんかをされた日には、全く眠れなくなる。
だから、コトが終わったらとっとと退散することに決めている。
駅に向かいながら時間を確認すると、間に合うと思っていた終電の時間は1時間ほど前に過ぎている。
そうだった。
『RAN』にいた辺りで、日付が変わってたっけ。
タクシーで帰るのはやっぱり勿体ない気がして、『RAN』に戻ることにした。
きっとまだ店は開いている。
ドアを開けると、さっきの半分ぐらいの人数にはなっていたが、まだ客で賑わっていた。
早速酒を注文して、カウンターに座る。
「リョウ、戻ってきたんですか」
「大貴」
さっきとは違う女性と飲んでいた大貴がこちらに近付いてくる。
「あんなに口説きまくって落とした割に、早くないですか?」
口説きまくって?
そうだっけ?
気付いたらホテルに居て、その辺りの記憶はあまり無い。
「飲み過ぎですよ」
「お前こそ、さっきの子は?」
てっきり、同じように連れ去ったと思っていた。
「帰しました。俺、メンクイなんで」
にやりと笑って、何気に隣に座る。
そっちからこっちを睨む女は放っといていいのか。
「どうでした?」
「別に。...普通」
特段話題にしたくもない。
もう顔も覚えてないぐらいだ。
手にした酒をあおる。
今日は何を飲んでも美味しくない。
「瑞希は?」
「アイツは、やっぱり電話かかってきたんで」
実家に泊まっている奥さんから、すっかり見透かされていて、そろそろ帰るようにと連絡があったらしい。
飛ぶように帰ったとか。