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第6章 新婚初夜？

なんだかとってもいい夢を見た気がする。

楽しくて、ふわふわして、幸せで、すごく笑顔になる夢。

どんな内容なのかは...。

思い出せないけど。


でも楽しかった。

ふふっと笑って。　


笑ったことが可笑しくて、また笑って。


ぼんやりと、目が覚めてきた。

覚めてきた目の前で、羚汰が規則正しく寝息を立てている。

手を伸ばして、その羚汰の寝癖で膨らんだ前髪に触れる。

ふと、その伸ばした自分の手に、きらりと光るモノが見える。

まだ見慣れないそのヒカリモノは、シンプルな形ながらさり気ない存在感を放っている。

そうだ。
昨日、この指輪を嵌めた。
皆の前で。

目の前で手の角度を変えると、カーテンから透けるほの明るさでも、キラリと光っている。

「...ん」

起こしてしまったかとビクッとしたが、軽く寝返りを打っただけだ。

さっきは布団の中にあった、羚汰の手が出てきている。

全く同じデザインのその指輪を、そっと撫でる。

指には触れてないのに、羚汰がまたビクリと動いた。

「んー？」

寝ぼけているのか、羚汰の手どころか腕が大きく動いて、いつもの様に稜を抱きしめようともそもそ動き出す。

「...おはよ」

「う゛ーーーっ？ん、おは...」

軽く稜の首筋に顔を沈めて、はたとその動きが止まる。

どうしたの？と聞こうかとした時。

「は？？今何時？おはようってどういうこと！？」

「えーっと、何時かな。お昼...ぐらいかな」

部屋の明るさから、現在時刻を推測する。
なにせ、いつもは枕元で充電するスマホは昨日この部屋に持ち込まなかった。
おそらく羚汰も。

「うっそ！！」

上体を飛び上がるようにして、部屋を見渡す。

「うわーーーっ」

頭を掻きむしって、なんだか悔しがっている。

ふと。稜はそこで、自分の着ているものを思い出した。

羚汰が起き上がってめくれかかった布団を、さり気なく胸元まで引き寄せる。

「りょーーう！！なんで起こしてくれなかったんだよー！」

うなだれていた羚汰が勢いよくベッドに倒れ込み、そのまま掛け布団ごと稜に抱きつく。

「だって、すっごくよく寝てたから。疲れてるのかなって」

「でも起こしてって言ったじゃん！昨日何の日だったか覚えてる？」

超至近距離で睨まれても。
忘れてるわけはナイ。

「...結婚式」