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第6章 新婚初夜?
言葉通りのゆっくりした動きは、もうとっくに始まっている。

先程の快楽の果てに追いたてられる激しい動きとは違って、緩やかな快感を伴って繰り返される柔らかな動き。

羚汰に見つめられながら交わう行為が、稜のカラダに快楽以上のものをもたらす。

「っはぁ...気持ち...いい」

「うん」

羚汰の指が体を柔らかな生地の上から包むように這い回る。
肌の上を滑るような感覚はえも云われぬ気持ちよさはあるものの、やはり直接肌を触ってほしい。
羚汰の肌にも触れたい。

揺れる体を支えたくて、羚汰の肩に手を回したいのに、何かがそれを阻む。
いつの間にかネグリジェから抜けた左手は自由がきくものの、右手はまだ不自由なままで。
でも、羚汰が起こす波に喘ぎ揺れて、どうすることもままならない。

「ん...は...ぁ...」

「脱ぎたい?」

稜の指に、自分の指を艶めかしく絡めながら羚汰が笑う。
撫でるように動く唇が、引き寄せ繋いだ左手に輝く指輪にキスを落とす。

その伏せた瞼から目が離せない。

そこから見上げた瞳が明らかに稜に、“お願いして?”と訴えている。

「ん...あっ...ああっ」

脱がせて欲しい、と言いたいのに、口を開こうとするとワザと羚汰が突き上げる動きを加えてくる。

ネグリジェの上から抱きしめたのでは、するすると生地が動いて支えられないと悟ったのか。
裾から這い上がった羚汰の手が稜の腰に直に触れる。

いつもと同じく触れられているだけなのに、カラダが悦ぶのが分かる。

「...もっ、もうっ、...イっ」

殊更激しく動いたとかでもナイのに、稜は伸び上がりカラダを震わせる。

「...あああっ!!!」

なんとか片腕を回して羚汰にしがみつく。
なにせ脱がせて欲しかったのに、そのままだ。

「...そんなシテないのに、エロいカラダだね...」

羚汰の唇が、肩のあたりを這う。

余裕を感じさせるそんなセリフが、落ち着きを取り戻しつつある稜に火をつける。

羚汰の頭に手をやり、唇を重ねながら体重をかける。

ふっと口の端で笑った気がするけど、お構い無しに続ける。

羚汰の背中がベッドに沈むと、稜は1人上体を起こし、クロスするように手をかけ、ネグリジェを素早く脱ぎ去った。

「...はぁ」

体を拘束したようになっていた布が取り払われ、開放感がココロをも軽くする。
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