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ちょいS部長の羞恥レッスン
第13章 プールにて
 スピードに乗った浮き輪が、水しぶきをあげながら、ダイナミックにコーナーを曲がっていく。

 楽しさから自然と笑顔になった璃子は、声が後ろの藤崎に聞こえるかどうかは分からないものの、「けっこう速いですね」と言ってみた。

 その声が聞こえたようで、藤崎が言葉を返す。

「こんなものだろ」

 言葉だけで判断するといつもどおりの冷静さだが、声の調子やトーンなどの僅かな違いから、藤崎がそれなりに楽しんでいるらしいことを璃子は悟った。

 そして、それが分かると、璃子はますます楽しくなってくる。

 コーナーに差し掛かり、浮き輪の角度が大きく傾くたび、璃子は遠慮なく大きな歓声をあげた。

 背中とお腹に、確かな温もりを感じながら。




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