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女医の診察日誌
第11章 ビッグな贈り物
 勇次はその時から五分ほど経過して、その場所へと歩いて行

き、その手には、小さな旅行用のバッグをさげて彼女の来るの

を待っていた。

程なくして彼女の車が彼の前に止まり、黙って降り、反対側

に乗り込むのを見た彼は、さりげなくゆっくりとした歩みで、

さも自分の車に乗るような態度で、先ずトランクにバッグを入

れてから運転席に乗り込んだ、行き交う車から知り合いにでも

見られないためにと、細心の注意を払っての動きだったのであ

る。

その時の彼女は、リゾートホテルで過ごすことを意識したの

か、品よくワンピースを着て、ハイヒールを履いていた。

 その車は二泊三日の、お泊りデートへスタートしていた。

「勇次さん御免ね、無理なお願いして、二晩も留守にして、
大丈夫なの?」
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