この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
サイトの人
第19章 旅行
「それでは、ごゆっくり」

中居さんが部屋を出ると、静かな沈黙が漂う。
でも、嫌いじゃない。

チヨは出された茶菓子を平らげると、部屋の窓を開けた。
山間部にあるだけあって、真夏だというのに爽やかな風が部屋を包む。

食事の時間まではかなりある。
山間のその旅館は静かに近くで流れる川のせせらぎが響くだけで、温泉街のような華やぎはないぶん、落ち着いていられた。

部屋からの景色を楽しみ、日頃の生活から癒しを求める人を目的にした小さな旅館は、裏を返せば外に出てもやることはない。
のんびりと森林浴をしながら目に、体に自然本来の姿を映すだけなのだろう。
テレビだって、いつもよりも映るチャンネルも少ない。

外出する気配もないタカダを、チヨはなんとなくそわそわするように見つめる。


「んん?」

あぐらをかきながら、お茶をすするタカダと目があった。


「のんびり、ですけど。やることないですね」

「日々の喧騒を忘れさせてくれるでしょ?」

タカダはそののんびりを楽しんでいるけれど。
普段雑多な騒音にまみれたチヨは、途端に手持ち無沙汰になってしまった。

「あの、せっかくだから、ご飯の前にお風呂、入りません?」

「そう?俺はまだいいから。ここ大浴場も景色いいらしいし。楽しんでおいで」


なんだか肩透かしを食らったような気分になり、チヨは浴衣とタオルを持つと、タカダの言われるがままに、部屋の露天風呂ではなく大浴場に向かった。
/182ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ