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第19章 旅行

「おかえり」

部屋に戻ると、浴衣に着替え窓際でくつろぐタカダがいた。

「あれ？お風呂、やっぱり入ったんですか？」

「いや、着替えただけだよ」

チヨは着替えた衣服をハンガーに吊るすと、タカダの正面の椅子に座る。
頃合いを見て用意していてくれたコーヒーは、まだ十分過ぎるほど暖かい。

「へぇ、やっぱり浴衣はいいね。いつもと違って、なんか色っぽい」

チヨはその言葉に、うなじに手をやりながら頬を緩ませた。




食事は、とても満足だった。
山あいの旅館のため海鮮は少なかったけれど、川魚や山菜、それに地元でび有名なお肉のすき焼き。
苦しくなるほどの食事が終わり、中居さんが片付けたテーブルを動かし、布団を二組並んで敷く。


ようやく落ち着いた頃、タカダがチヨの背後に回り耳元で囁く。

「そろそろ、お風呂入ろうか？」

チヨは小さく返事をすると、タカダにされるがまま、帯を解かれた。