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第24章 個室
扉を抜けたそこは真紅の絨毯と壁に包まれた異様な空間だった。
入ってすぐに真っ黒なシーツのかかったベッドが一台。
その横には病院のように衝立がある。

女性は衝立の向こうの空間に消え、チヨもつい後を追う。
もちろん男性2人も後に続いた。

衝立の横には、薄いカーテンの奥に同じベッドが一台。
その横にはやはりバーにあったのと同じソファが置かれ、お世辞にも広いとは言えない。

「人が来るかもしれないって言うからカーテンあるベッドルームお願いしたんだけど、これじゃあまり意味ないみたいね」

女性の言う通り。
確かにカーテンはあるけれど、ソファやベッドの色まで判別できてしまうほどのそれは、かえって見ている人を興奮させるような代物だった。
さらに3箇所ほど暖簾のように切り込みが入り、隙間から覗くこともできてしまう。

「ね、おいで」

彼女はソファの真ん中に座り、カーテンの手前で立ち尽くすチヨを手招きする。

タカダはチヨの背中をそっと押し、その中に入れた。

「さて、来ちゃったけど、どうする?」

今日の主導権を握る彼女は、タカダに問いかける。

「せっかくだし、楽しもうか」

突然の展開にうろたえるチヨの体を抱きかかえると、タカダはそのままベッドに転がった。

「彼も、見てるだけ?」

タカダは男性ではなく女性に問う。

「どうかな?興奮して意地悪してくれる?」

女性は男の手を引っ張り、自らの横に招いた。

このひと、絶対にSだよ。
チヨは艶めくように笑う女性に心の中で呟いた。
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