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第24章 個室
「やああっ、あっ」

声を殺そうともがいても逃げられず、チヨはか細く鳴き続けていた。
その姿に触発されたのか、いつの間にか女はソファに座る男の足の間に座り、ゆっくりと頭を動かしている。
口で奉仕されながらも男は相変わらず無表情のまま、チヨたちの行為を眺めていた。


チヨはそれを気づくこともなく、下着の中をひたすらタカダの指に翻弄されていたものの、突然それが止まり、チヨは固く閉じていた目を開いた。

「…え?」

登りつめる直前のチヨから、タカダの指が離れる。

我を忘れていたチヨの体を抱き起こし、そのまま背後に回る。




「ね、ちーちゃんカーテンの向こう、だれかいるみたいだよ?」

タカダの囁きによく見ると、うっすらと2つの人影がカーテンの奥に見える。
少しかがんでいる様は、切れ目にある隙間から覗いているようだった。

「やだっ、うそっ」

身をよじるチヨの体をタカダが羽交い締めにする。

「ほら、向こうからからはちゃんと見えないんだから。言うこと聞きなさい。聞かないとカーテン開けるからね?」

びくりと一度震えたまま、チヨは硬直した。

「せっかくだから、今日は趣向を変えてみようか」

タカダはチヨの乱れた髪を耳にかけ、その耳元に息を吹きかけるように続けた。

「今日はなんでも命令通りにしなさい。返事は?」

「…はい」


いつもよりも低く囁かれる言葉はとても冷たく響き、チヨは不安を覚えながらも小さく返事をした。
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