この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
サイトの人
第25章 迷路
「せっかくだし、呼ぼうか?」
「え?」
「鉄は熱いうちに打たないと。大丈夫だよ、こないだみたいなことはないから」
「やだっ、待って!」
必死にスマホを操作しようとするタカダの手を止める。
「ちーちゃん」
呼ばれてタカダを見ると、その視線は前方に向けられていた。
「あっ…」
興味深げなタクシーの運転手とミラー越しに目が合う。
タカダはチヨが黙ったのをいいことに、耳元で囁いた。
「ね、何がだめなの?教えて?」
「だって、こないだみたいに…」
「こないだって?」
運転手は運転に集中しながらも二人の会話に耳をそば立て、ゆっくりとラブホテルへの道を走らせている。
ホテルまで、とタカダが伝えた時ですら恥ずかしかったのに。
明らかにこんな会話、普通じゃない。
チヨはなんと答えていいかわからずに、じっと黙り込んだ。
タカダはそれを了解とみなしたのか、スマホに文字を打ち込み始めた。
「着きましたよ」
運転手が声をかけるまで、チヨは震えながらタカダの手を握りしめていた。
「え?」
「鉄は熱いうちに打たないと。大丈夫だよ、こないだみたいなことはないから」
「やだっ、待って!」
必死にスマホを操作しようとするタカダの手を止める。
「ちーちゃん」
呼ばれてタカダを見ると、その視線は前方に向けられていた。
「あっ…」
興味深げなタクシーの運転手とミラー越しに目が合う。
タカダはチヨが黙ったのをいいことに、耳元で囁いた。
「ね、何がだめなの?教えて?」
「だって、こないだみたいに…」
「こないだって?」
運転手は運転に集中しながらも二人の会話に耳をそば立て、ゆっくりとラブホテルへの道を走らせている。
ホテルまで、とタカダが伝えた時ですら恥ずかしかったのに。
明らかにこんな会話、普通じゃない。
チヨはなんと答えていいかわからずに、じっと黙り込んだ。
タカダはそれを了解とみなしたのか、スマホに文字を打ち込み始めた。
「着きましたよ」
運転手が声をかけるまで、チヨは震えながらタカダの手を握りしめていた。