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第9章 合流
ホテルまで、車内は無言が続いた。
チヨは上半身裸のまま、隠すことも許されずおとなしく座っている。

信号で止まるたびに、隣にトラックが止まるたびに、見えているのではないかと気が気じゃない。

けれどタカダが何も言わないから、チヨも何もできない。
どうしていいかもわからず、言葉を発することもできない。


そのまま20分ほど走ると、タカダは当たり前のようにホテルの駐車場に車を止めた。

「さ、着いた。行くよ」

「あの、これ、着ても?」

足の上で、本来チヨの上半身を覆っているはずのワンピースはおろされたままだ。

「だめ。胸隠していいから、そのまま来なさい」

「でも…」

「ほら、早くしないと人が来るよ」

知らない間にできた主従関係。
チヨはなぜ拒否できないのか、考えることすらできない。

しかたなく、ワンピースを胸元まであげると、ずり落ちないように押さえながら車から降りた。

腰までおろされたファスナーは全開のまま、袖すら通すことを許されなかったため、チヨの後ろの上半身は裸のままだ。

こんなの、見られたら…

チヨは先を歩きだしたタカダを小走りで追いかけた。
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