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女神の目覚め
第1章 女神の目覚め prolog
______『ん……………。
んん?あっ、…………』


俺はコーヒーを淹れている。


戸惑う声がしたから振り返った。


『おはよう~~~、有沙先輩♪♪』





『お…………おハヨ』
髪を手で撫でつけながら、
有沙先輩はムクっと起き上がる。


『あ!
通くん、私が淹れるよ』

寝ぼけ眼のまんま、
ベッドから出てくる有沙先輩。



『……………先輩、
丸見えっす』


俺は視線を外す。



『え?
あっ!きゃあっ、やだ!
下履いてなかった……………』

がばっと蹲る有沙先輩。


真っ赤だ。

顔も、耳も、
首も脚も。





俺はコーヒーサイフォンに視線を戻した。


がさごそと履いている音が、
背中に響く。





嬉しくて堪らない。


有沙先輩のあの慌てよう。
真っ赤っかに照れた雰囲気。
元気な声。



昨日と少しだけ違う、
解けた甘い雰囲気。




『はい♪♪
ミルクたっぷり砂糖なし!
今トースト焼いてますから』

俺はニカッと笑い、
後輩・桜井通に戻る。





今はまだ。

有沙先輩が、
ちゃんとこっちを向くまで。
それまで俺は………………………………いくらでもいつまでもこうしてやる。




『あ、ありがとう………』
恥ずかしそうにコーヒーカップを持つ有沙先輩に、
俺も隣に座ってコーヒーを一口飲んだ。
苦味が広がる。




朝の光が窓から差し込む。

____有沙先輩の白くツルリとした頬に光が当たって、輝いている。



この顔が見たかった。



君が素のまんまで、寛いでる。



(まぁそのうち…………)

俺、一人よがり過ぎじゃないよな、と自問したらトーストが焼けた音がした。





























〔おわり☆〕








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