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霞草
第7章 すれ違い
その後の僕は、今まで通りを装いながら、残りの時間を惜しむように過ごした。
休み明け、一週間くらいしたころだろうか、霞と霞草の花畑に行った。
学校から帰ってきた霞が、なんだか、はしゃいでいるようだった。
浮き足だち、手を引かれながら、花畑の中まで連れて行かれる。
白い小さな花たちが僕達の回りをふんわりと包む。
用事があったのかと思ったが、花の中にしゃがみこんだ彼女は、なにも言わない。
ドキドキして彼女を見ると、どことなくおかしい。
唇。
唇にほんのりと、ピンク色のリップが塗られていた。
「リップ、どうしたの。」
「おかしい?、お化粧しない私は子供っぽいのでしょう。」
僕が街で見た同級生に対して言ったことを、彼女は気にしていたのだ。
僕が無理に大人のふりを急ぐ必要はないと思って言葉を、彼女は反対に受け止めていたのだ。