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夢…獏の喰わぬ夢
第8章 変化
店につくと、店主が驚く。
「5分前でいいよ。早く来た分はタイムカードを入れるといい。
私達以外の人間と交代する時は、それぞれ引き継ぎ事項が終わるまでが働いた時間だ。
申し訳ないが二人分の給料を払うほど余裕がないんだ。」
そう言いながら店主は、タイムカードの場所、シフト表などの説明をした。
5時にその日の商品が運ばれて来る。注文表のチェック、在庫品の期限切れ分を出し、新しい物と入れ替える。
その仕事が大変だが、後は7時近くまでほとんど客は来ない。
むしろ、物騒な客など来ないように願っているくらいだ。
と店主は付け加えた。
「食品の期限切れから、好きなだけ朝食を選んでいいよ。
このまま学校へ行くんだろう?
混み始める7時ころまでに食べるといい。」
搬送物の整理が終わると店主が言う。
僕は
「今日は持ってきたんで、」
と断った。
彼は、自分の分を選んでいる。
「売っていて言うのもおかしいが、カミサンの料理のが温かいんだがね。
捨てちまうと思うともったいなくて、奴も残りもんを食べてるよ。」
どうも一緒に食べなければならないようで、僕はリュックからサンドイッチを出した。
「作ってくれる人がいるのか、うらやましい。彼女か?」