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夢…獏の喰わぬ夢
第9章 色
気持ち悪いと思ったが、すぐに慣れてきた。指から肉が出る時に指の股からニュルリとなるとき、くすぐったいような変な感覚がした。
「どう?慣れてきた?」
「料理なんてしたことないからさ、ちょっと…」
「気持ち悪い?」
「うん、最初はね。」
「ここ、なんか変な気分にならない?」
彼女が肉をニュルリとさせている僕の指の股をなぞる。
今まで、変な気分がしていたのは性的な感覚であることを知らされる。
「君もそう?」
「うん。
でも、慣れてきたみたいね。じゃあ次の感触に挑戦ね。」
彼女の悪戯な笑み。
塩胡椒、パン粉が振りかけらせる。
そして、冷蔵庫から出された卵が割り入れられる。
捏ねて自分と同じ温度になった肉に、パン粉のパリっとした感触と冷たい卵のヌルッとした感じ。
「ひとつになるまで捏ねてね。」
卵の感触になれないまま、たぶん、彼女の言う「ひとつ」になるまで捏ねた。
彼女と二人で、捏ねた肉をハンバーグの形にする。
粘土遊びを思い出した。
そして、分量がとても多いことに気づいた。
彼女は小さな固まりにして手のひらで団子を作っていた。
僕も真似てみたが、どうしても大きくいびつになる。