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夢…獏の喰わぬ夢
第2章 獏
「ランチの時、夢と同じようなことあなたが訊いてきて、私は夢の通りに答えたわ。」
「じゃあ、君は、夢のとおり実行しただけなのか?
現実を先に夢で見れるのか?」
「予知夢、デジャブーと言う人もいるけど、違うと思う。
夢は時間や空間の縛りにとらわれないわ。
自由な中にいる自分が、本来持っている全てを自由に使える世界。
そこで体験したことを、現実の世界の似たような現象に、ちょっと活かして生きている。
夢は解放された世界なの。」
「おかしいとは思わないが、何だかさっぱり分からない難しい学問みたいだね。」
「そんなことないわ。あなたには判るはずよ。だから、あなたの隣に座ることにしたんだもの。」
「僕を夢で先に知ってたの?」
「まさか、でもね。昔から知っている人のような安心感はあったわ。あなたは?」
「ごめん。最初は隕石と呼んでた。今も分からないことだらけで、驚いたけど、僕のこと全部知られてて、でも恥ずかしくない。コレって安心感って言うのかな。」
僕は彼女のことが知りたくて仕方なかったのに、
逆に全て知られていて、
知り尽くすことの出来ない存在だと、ありのまま受け止めた。