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夢…獏の喰わぬ夢
第4章 五月晴れ
しかし、今日は明らかに目立つ、ボーイッシュ過ぎるのだ。
[僕だってあんな目立つ格好しないさ、]
爽やかな空色に白のラインのストライプ。
彼女が『私達雲みたいね。』といった時の空ような澄んだ水色、
昨日の雨上がり、彼女が夕焼けに染まる前、お互いを確かめ合っていた時もきっとこんな空だっただろう。
どうみても、ブカブカなシャツはオーバーシャツ風に着こなしても男物だと判る。
しかし、僕もあんなシャツ持っているが、
結局、目立ちそうでクローゼットの隅に眠らせているんだから…。
・・・。
それは、僕のシャツだった。
いつかキャンパスでそのシャツを風のように羽織り歩いてみたいと、鏡で確認せずに買ったものだった。
帰ってきて羽織った自分を見て、あまりに滑稽なので、奥にしまっていた僕のシャツ、彼女が着ているのは僕のものだった。