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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第11章 旧友との会合



それに、倉原の頼みに、私はどこまで手を貸せるかという問題もある。


今の立場に縛られている以上、美紀を正式に娘として早乙女に入れない限り、表だって大きな事は出来ない、ましてや倉原一家に個人的に関わる事も無理。


早乙女グループ会長という重圧は、私を予想以上に動けなくさせて、倉原を助ける美紀を救う‥そんな簡単な事ですら、出来るかどうか分からない。



「・・昔に戻りたいね………」


まだ気楽だった頃の……


だが、会長職を望んだのは、他でもない私自身。


やはり、もう少し表に出るべきだったのだろう、実態が知れない謎の人物より、ある程度表で行動していれば、此処まで身動きが取れなくなる事は無かった筈だ。


面倒事を嫌ったばかりに、私は自分で自分の首を締めた事になる。



「だが・・・」


言い寄る女共…
中には薬まで使って、既成事実を作ろうとした女さえ居た。


結婚など考えた事など無い、18年前に婚約者を亡くしてから一度も…


それはまぁ‥私も男だから、欲求に駆られて女性とベッドまで持ち込んだ事はあるが……


そこは立場とか早乙女とか、社会的な問題と全く関係が無い、普通の女性ばかりを選んでいた。


杉田季永の名を使って・・・



久しぶりに倉原の声を聞いたせいか、色々余計な事まで思い出したもんだ。


全ては明日になって見ないと分からない…



そう明日・・・・・








流石にソワソワはする、なにせ倉原と正式に会うのは18年振りだ。


仕事上のやり取りはある…
倉原は早乙女に取っても優秀なエンジニア、本社系列全ての統括主任を任せている。


勿論、倉原の人柄も考慮してだが、そこは部下には話してはいない。



「そろそろか・・・」


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