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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第11章 旧友との会合
「異常なほど痩せ、身体は傷だらけ…
それに‥首に締め痕らしきモノがあった時も……
誰かに脅されているのは確からしい、私には確かは分からないが…」
「・・・・・」
「しかも、ほとんど食事を取らない‥いや、取れないが本当のところだろうか…
食べても吐くの繰り返し、脅している奴に殺されなくても、倒れるのは時間の問題かと……」
「・・そこまで‥酷い事になっていたのか……」
受け付けない食事と、吉田春夫の脅し、しかも首に締め痕……
どちらにせよ、このままでは美紀は確実に…
「私では脅している奴の素姓を調べる事すら出来ない、多分‥美紀に聞いても知らぬ存ぜぬを通される…
それだけ私達は美紀と会話も無いんだ、最後に話したのが何時だったかすら分からないくらいに……」
悲痛な独白……
美紀も倉原夫婦も、どれだけ悩み苦しんでいたのか、倉原の沈んだ姿を見れば一目瞭然。
「美紀を脅している奴は当たりは付けている、だが証拠が掴めないし、どんな理由で脅しているのかも把握出来ていない」
「知って‥いたのか?」
「すまないと思いながらも、身辺は調べさせて貰った…
付属高を止めた事も、夜の街で遊んでいた事も……」
「そうか‥そうだな…
今の早乙女だったら簡単な事か……」
「そうでもない、美紀の事はあくまでも秘密…
うちの少ない秘書をギリギリ割り振って、見付け出した事、全て把握している訳では無いよ」
倉原に隠し事をしても仕方が無い、ただ吉田春夫という個人名を出さない方が賢明だと思う。
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