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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第11章 旧友との会合
今の倉原に吉田春夫の事を教えてしまったら、何をするか分からない。
最悪、美紀を守る為に……
それだけは避けなければならない事。
「脅しの他に、食事が取れないと言ったね?」
「ああ…
脅されているせいなのか、別の理由か定かじゃないが、確実に痩せ細っているのは確かだ…
拒食症と言うのだったか??」
「拒食症・・・」
食べ物を受け付けなくなる病気みたいなもの…
治すには、それ相応の時間と根気が必要だった筈。
本当は病院みたいな場所で、確実に栄養補給を取りながら、少しずつ食事量を増やして行く‥だったか??
ともかく、時間が掛かるのは確からしい、私もにわか知識だが。
「参ったね…
脅しの件に関しては、専門に1人付けてはいるが、相手の尻尾を掴みたいが為に、美紀自身に対しては何もしてやれないに近い…
更に言えば、拒食症を治すには時間と根気がいる、この状態で治療は難しい」
「何も‥してやれないのか??」
「私が今出来る最大限の手は打っているつもりだが、こちらより向こうの方が今は一枚上手…
私が‥もう少し動けたなら、まだ出来る事があるだろうが‥八方塞がりなんだよ」
もう少し‥立場も周りも無視して動ければ……
「早乙女の名は重いか……」
「そうだね…
私が動くと、余計なものまで動いてしまう……
それに倉原も美紀も巻き込むのは御免だ」
世間は早乙女というだけで、憶測の無い噂を言い取りざたす、それに会長の私が加われば‥良い報道のネタにされるのがオチ。
「・・お互い立場が変わったな」
「倉原と気楽に騒いでいた頃が懐かしいよ」
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