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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第11章 旧友との会合
確かに、美紀が倉原の実の娘じゃ無いと気付かれた時に、運命の糸が狂い始めたのかも知れないが、それを決定的に砕いたのは他ならぬ私自身。
全て私が招いた種……
倉原が美紀と話し合い、18才になる前に早乙女の娘と話しても構わなかった、その事実に嘘は付けないのだから、本当の事を教えても支障なんて無い。
問題なのは私の方、実の娘と分かっても諦め切れない私の心。
美紀は受け入れないだろう、逆に更に傷付ける事になりかねない、その不安もあり直接手を出すのを躊躇っていた間に、吉田春夫に付け入られた。
全ては私が招いた事…
その事実に私は……
「・・拒食症の方は、何とか出来るかも知れない」
「早乙女??」
「うちの系列の病院がある、腕は確かで屋敷にも出入りしている人物だ…
その医者に相談し、拒食症改善のカリキュラムを組んで貰う事は出来る」
「早乙女の主治医か?」
「ああ…
とは言っても、私は健康そのものだよ……
ただ、こう屋敷に居る事が多いから、予備検診と運動プログラムを少々、その医者なら秘密厳守はしてくれ、尚かつ美紀に分からない方法で治療を考えてくれるだろう」
考えられる最善の方法、あの医者の事だサプリメントとか言いながら、栄養補給や食欲増進の薬をさり気なく処方してくれる。
それに内々だから、外には分からないのが一番条件に合う。
「かなり無理な事を言うが…
美紀をこの屋敷で療養させてやる事は出来ないか?
此処ならば、安全も確保出来る」
「・・それは・・・」
まさかの倉原の提案に、私は戸惑う。
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