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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第14章 闇の中の一筋の光
「参ったね…
こんな時間まで食い下がるとは……」
「はい……」
遠藤を運転手に私は車の中、時間は0時をとうに過ぎている。
予想以上に粘ってくれたもんだ…
だが、向こうが私に勝つ事は無く、大型人事だの何だの言っていたのを、ほぼ全て蹴散らした。
その分、時間が掛かったが……
「とにかく、暫くは大人しいだろうね」
「・・上手くいきましたか・・」
「慌てる姿は滑稽だったよ…」
窓から外を見れば、かなりの大降りな雨…
秋も終わりだと言うのに、こんなスコールみたいな振り方は珍しい。
「暫く常務共の動向から、目を離さないように…
後は系列人事もだ」
「畏まりました」
その程度で、今回の向こうの思惑は収まるだろう、比較的動かせやすい、系列人事に目を光らせていれば……
「これで、また暫くは屋敷だね…
毎回出されるのも困る、そうだな‥向こうより先に系列の見直し案でも立てようか?」
「指示がかりましたら何時でも…」
「抜かりは無いね…
草案だけでも先に纏めるとするよ」
「分かりました」
こういう時の遠藤は面白みが無い…
多分、部下から情報を得て先回りしているだろうから。
優秀だが、早乙女筋という事で権力争いに巻き込ませる訳にもいかず、尚かつ叔母に秘書としてと言われている。
本来なら良い片腕になろうものを…
いや、今でも十分片腕だな。
流れる車窓の景色…
この大雨のせいで、歩いている者も居なく、ただ変わらない道路を見ながら、屋敷への道を辿る。
屋敷近くの街に入り、流石にもう閉まっている店を眺めていたら・・・
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