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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第14章 闇の中の一筋の光
「・・美紀!!!」
走りながら私は叫ぶ、後ろを向いていた人物は、ゆっくりとこちらに振り返り……
やはり‥美紀だ…
だが、何故こんなところに??
「美紀………」
「・・・・・」
やっと追い付いて、美紀の姿を間近で見れば…
「・・・!!」
頬は腫れ、コートの襟元で隠れて少ししか見えないが、首に赤い痕…
まさか首を絞められたのか!?
なんて言葉を掛けて良いのやら、ともかく極力美紀を刺激しないよう……
「・・・このままでは風邪を引いてしまうよ」
「・・・・・お願い・・・放っておいて・・・」
「そんな訳にはいかない」
こんな大雨の中で、傷付いた美紀を放っておくなど!!
「お願い・・・
早乙女会長・・・」
「っ!!!」
季永でも紀永でも無く、早乙女会長‥と……
引かれた線に私は愕然とするが、今は美紀をどうにかする方が先だ。
「・・・
このまま未成年が1人歩いて、警察にでも捕まる気かね?
今捕まったら、その怪我‥どう理由を付けるつもりだい??」
「それは…!!」
「とりあえず、傷の手当てはさせてくれ…
頼むから‥言う事を聞いてくれないか??」
「・・・・・」
こうとしか言えない自分が辛い…
だが、多少強引な方法を取らなければ、美紀はこのまま逃げてしまうだろう。
それは私の本意じゃない。
「ともかく‥来なさい……」
「・・・・・」
優しく肩を抱いて車まで行こうとしたら、美紀の身体がビクッと震える。
仕方なく腕だけ掴み、少し向こうの車まで歩く。
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