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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第14章 闇の中の一筋の光
「最低だ‥ぁたし…」
シャワーを出しっ放しのまま、壁を背にして座り込んで、そのまま膝を抱えてうずくまって……
温まって、少しだけ溶けたぁたしの心は悲鳴をあげる…
追い詰められた恐怖と自分自身の心の弱さ。
死ぬと思った時に出て来た幻に、ぁたしはまだ諦め切れていないと、つくづく実感した、そして知らずに出たあの言葉。
それが、ぁたしの心だと、そう思った途端に本人に会うなんて‥どれだけぁたしは運が無いんだろう。
「やっぱり最低だ……」
シャワーに打たれながら、ぁたしは自己嫌悪に陥っていた。
「救急箱と、氷は必要ですね」
「ああ……」
探す途中で遠藤と出くわし、結局遠藤が治療の為の道具を用意してくれる事に……
「それと、会長も着替えて下さい…
雨に打たれたままでは……」
「分かっているよ」
美紀に温まってとは言ったが、私の方も雨に濡れたまま。
中途半端に髪が崩れて鬱陶しいが、まずは美紀の方が優先…
私の方は、後で客室かどこかのシャワーでも使えば良いだろう。
「救急箱と氷、それから湿布とタオルは多めにしておきました」
「すまんね…
私1人なら、まだ探していたよ」
はっきり言って、この屋敷のどこに救急箱があるかも知らないくらいで…
遠藤が来て助かったと思っている私が居る、少々情けないが……
「ああ…
助かった、それと後で勝手に客室のシャワーを使う」
「はい……」
もうこうなれば、遠藤は秘書と言うか執事と言うか‥私より屋敷内に詳しいのは確かだ。
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