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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第14章 闇の中の一筋の光
全く私も、現実を突き付けられるまで何をやっていたのか…
遠藤の言う通り、さっさと直接会っていれば良かった。
躊躇った結果が、この惨状‥私が動かなかったばかりに美紀は……
「・・すまない、入るよ」
躊躇いは悪循環を生む、小さな事でも…
だから私は覚悟を決めて、バスルームの中に立ち入った。
風呂は使っていないようだ、シャワーブースだけ、お湯と湯気が立ち込めている。
そして美紀の姿は…?
「・・美紀!?」
シャワーに打たれて、うずくまり膝を抱えて伏せっている美紀の姿が!
「・・今度は逆に逆上せるよ?」
「・・・服・・濡れる・・・」
やっと顔を上げた美紀が、ひとこと……
「そんなの構わない」
「でも……」
変わり果てた美紀の姿…
元々細身ではあったが、ちゃんと付くべきところには付いて、健康的な身体だったのに、今はどこもかしこも折れそうな程に細い。
それに、縄かロープの擦れた痕、鞭らしき傷痕…
まだ傷が塞がっていない場所すらある。
「・・・こんなに‥なるまで・・・」
「ぁっ‥」
思わず、その身を抱き締めてしまう…
それと共に沸き起こる吉田春夫への怒り。
「‥離して‥‥」
小さな声で抵抗するが、私は美紀を離す気は‥無い。
「少しだけ‥聞いて欲しい、良いね?」
「・・・・」
美紀は小さく頷く…
話をするのは、今しか無い、これを逃せば多分もう機会は無いだろう。
だから私は話す‥私の本心を………
「あの日……
私が言いたかったのは‥美紀、確かに私は美紀の父親だ、だけど私は美紀を娘だとは思えない…
1人の女性として愛しているんだ、それが罪だと分かっていても、美紀を愛する心は止められない」
「・・・ぅそ・・・」
「嘘じゃない、私は美紀を愛している…」
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