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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第14章 闇の中の一筋の光



濡れ髪に、タオルを掛けて、まだ後ろを向いている美紀を簡単に横抱きに‥本当に軽い、どれだけ痩せたか分かる程に。


美紀の方は慌てて、首に腕を巻き付けて、バランスを取ったみたいだけど。



「・・季永さん‥だ・・」

「ん??」

「その格好……」

「ああ!
スーツ姿だったのは、たまたまだよ…
仕事で出ていたからね、普段は何時もこんなもの」

「此処でTシャツとジーンズ……」

「おかしいかな??」

「うんん…
何か季永さんらしい…」

「紀・永・」

「へ??」

「さんは要らないよ…
それに紀永‥本名だからね」

「あ‥そうだった」


どうも、美紀の印象は季永のままらしい、まあ仕方ない事だが……



「紀永・・・・さん・・・」

「だから、さんは……」

「何だか呼び難い…」

「それなら、少しずつ馴れてくれないかい?」

「少しずつ……」


如何にも、馴れるかなっていう思案顔が面白い、可愛いとも言うが……




他愛のないお喋りをしている内に、ベッドに辿り着く…
そっと美紀をベッドに下ろし、先程持って来た救急箱に手を掛ける。



「傷‥見せて?」

「でも……」

「大丈夫」

「うん………」


少し躊躇していたが、大人しくバスタオルを広げてくれる…
傷だらけの身体‥見ているこちらが辛い程に傷が多い。


大きな傷から始めて、次第に小さな傷へ…
思っていたより包帯類が沢山入っていて助かった。



「良いよ、後は‥頬は冷やそか…」

「・・うん……」


流石に、頬の話は辛いらしい…
少しだけ嫌そうな顔をした。



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