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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第15章 束の間-早乙女邸-
「こうして美紀が此処に居て、理由と証拠が何か分かったのなら動ける…
私は、美紀にここまでした吉田春夫を許す気は無い、逆に最後まで追い詰める、どんな手を使っても!」
「・・紀永・・・さん・・・」
「安心して…
必ず吉田春夫の件はカタを付けるから……」
やっと絡繰りが理解出来た、美紀が此処にいるのならば、そろそろGOサインを出しても良いだろう。
「うん……分かった」
「証拠を優先したせいで、美紀が此処まで…
すまなかった、美紀を優先にするべきだった、私の考えが少し甘かったようだ」
「うんん…
元はと言えば、彼奴に見付かった、ぁたしが悪いんだから」
「今は少し忘れて、療養を考えよう?」
「・・はい」
少しだけ安心した顔…
その顔が笑顔になるように、私は全力を尽くす。
躊躇いは美紀を余計に傷付ける…
だとしたら私は躊躇わない、多少過激な事になろうが、私が表に出ようが、それで美紀の安心した笑顔が得られるのならば………
一通り話が終わったところで、遠藤が朝食を持ってやって来た。
「ココアとサンドイッチですが、食べられますか?」
「これならなんとか…」
遠藤が入って来たという事で、美紀は慌ててベッドの中に逃げ込んだ。
まあ、私が貸したYシャツ1枚じゃ当たり前…
何故か遠藤の方は、多少傷付いた顔をしていたが。
「それと‥その…
女性には良い難いのですが…
衣服一式と言われても私では……
それで屋敷の内勤の女性の方と一緒に行こうと思うのですが、その‥向こうが美紀様の体格が分からなければ買いようが無いと……」
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