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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第15章 束の間-早乙女邸-



ネット経由ならば、吉田春夫の端末を見付け出し、ウイルスでも何でも侵入させる事は出来る…
それくらいの腕は持ってるつもりだ、多少犯罪行為だが。


がだ、携帯端末となれば少々厄介…
スマホならば、パソコンと同じ方法が取れるが、携帯となるとウイルス混入は難しい。


私や、うちの秘書達の連絡方法に、あえて携帯端末を使用しているのは、そういう危険を回避する為で、個人でどちらを持つのかは自由にしてる。


あの男が、そこまで考えて端末を選んでいるのかは分からないが、面倒な事は確かだ。



「直接操作しかないのか……」


個人所持の携帯を奪取するのは難しい…
さて、どういう手を打つべきか??



「確認の為、一時ならば何とか…
吉田春夫の1日の行動は把握しています、あの者を使って少しの時間なら可能かと思います」

「穏やかじゃないね」

「相手が相手ですので、多少の必要悪は目を瞑り、短時間かつ気付かれない程度で、盗み確認くらいは出来ます…
手先は器用な奴ですから」

「・・・
それで構わない」


OKを出したのに、遠藤の方が驚いている…
それもそうだ、私がこのような提案に乗るとは思わなかったのだろう。


私は美紀を見て覚悟を決めた…
私が外分や面倒くささを気にし、自ら動く事をしなかった事で、美紀をああまで追い詰めてしまった。


ならば、私は動こうと思う、面倒事になっても美紀が私の娘だと公表してしまえば、後で何とでも理由は付けられる。


こう考えられるまで、私はどれだけ回り道をしたのだろうか?


決断がもう少し早ければ………



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