この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第15章 束の間-早乙女邸-
「うわ…
庭も広い……」
窓から外を見れば、広くて手入れが行き届いている庭が見える。
考えてみれば、此処に来たのは夜ばかりで、こう‥周りの景色は初めて見た。
あの日はそんな余裕も無かったし、昨夜は大雨の中だったので、全然気付かなかった。
「何だか物語とかに出て来るお屋敷みたい…
あっ、お屋敷だった此処」
早乙女邸と言ったら、この高級住宅地でも、飛び抜けて広大な敷地面積‥だったと…
ぁたしは、あまりこっちの方には来た事は無かったケド、付属高の頃そんな話をたまに聞いた。
まさか、その早乙女邸の中に、ぁたしが居るなんて…
やっぱり夢でも見てるみたい。
「んー
多分、パソはパスが掛かっているだろうし、やっぱりテレビ?」
時間を潰す方法にテレビって、ぁたしはやっぱり庶民だなぁ…
でも、他にする事も無く、興味を引く物も無いじゃ、最終的にそこに行き着くよね??
じっとベッドで寝ていても落ち着かないし、ぁたしはソファーに座って、適当な番組を見る事にした。
昼頃に遠藤さんが昼食を持って来てくれて、此処でテレビを見ているぁたしを見て少し笑っていたケド、暇つぶしならと、テーブルに昼食を置いて目を瞑ってくれたみたい。
軽めの昼食を食べながら、ぁたしは紀永さんと、午後から来るという医者を待つ。
先に部屋に来たのは………紀永さんの方だった。
「おや??」
寝室では無く、こっちに居るぁたしを見て、紀永さんは少し驚き顔……
「その‥暇だったからつい……」
「いや、構わないのだけどね…
何も無くて、つまらないんじゃないかと思うよ」
「んー
とりあえずテレビ見てた」
・