パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第15章 束の間-早乙女邸-

「それが、こんな事になってしまうとは…
私が動けなかったせいで、美紀に辛い思いをさせたね……
ある程度は把握していたのに、何も出来なかった私は………」

「紀永さん……」


悲しく話す紀永さんに、ぁたしは…………



「・・・美紀？？」


思わず紀永さんに抱き付いた……



「紀永さんのせいじゃない…
全て、ぁたしが取った行動の結果‥だから……
決して、紀永さんのせいじゃないよ」

「そう‥言ってくれるのだね……」


逆に、包み込むように抱き締めてくれる。



「当たり前だよ!
全部ぁたしが招いた種なんだから…
倉原と上手くいっていないのも、こんな不良みたいな事をしているのも、吉田に漬け込まれたのも、全てぁたしが話を聞かなかったのが悪い‥分かってる‥‥それくらい………」


何故？


自分で言って涙が出るの？？


うんん、心のどこかで分かってたんだ…
後悔してるって‥ぁたしが取った行動は、全て空回りだったって……



「・・そんなに泣かないで…
全て美紀が悪い訳では無い、崩れてしまったのには、私にも責任がある…
親子だと気付かず美紀を愛してしまった……
そして、それを分からずに父親として美紀に会ってしまった事で、そのせいで私は美紀をこんなにも傷付けた」


そう言って、紀永さんは優しく髪を撫でてくれる‥あの頃と変わらない仕草で……



「始めから、ぁたしがちゃんと話を聞いていれば、こんな事にはならなかったのに…
紀永さんの話‥最後まで聞かなかったから……」


・