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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第15章 束の間-早乙女邸-



「あの医者なら上手くやるだろう」


私は隣の部屋で待機している事しか出来ない…
医者の方には、なるべく詳細な状態を確認して欲しいと話てはいるが…



しかし……


涙を流してまで、あの日の事を後悔している素振りだった美紀…
悪いのは、私も同じだと言うのに……


全てにおいて、気付けなかった私の過ち…
だが、あの日の前に親子だと気付いたとして、私はどういう行動をしていただろうか??


多分だが、いきなりのあのショックは無かったとは思う…
だが、私は美紀を説得する為に、あらゆる手を使った‥‥それくらいは予想出来る。


手放したくない‥その一心で・・・




「時間が掛かっているようです」

「そうだな……」


ともかく、立ったままの遠藤を無理にでもソファーに座らせた後、手元にあるコーヒーを飲みながら、待つ事1時間くらいになるのか?


思ったより長い時間に、何かあったかと心配になる。



「先程、検査道具と思われる機械を運ぶ音もしていましたし、本格的に治療と検査を行っているのではないかと……」

「まあ‥そうだろう…
詳細にと言った事だ、一度で殆どの検査をやってしまおうという腹づもりなのだろうね」


すっかり冷えてしまったコーヒーをまた一口…
これだけの長きに渡って、待つだけ待って来た、今更1時間2時間程度で堪えるものでも無い‥が……


とは言え、待つと心配は別物らしい…
我ながら困ったものだ。




結果的に言えば2時間弱待ち、そこで漸く医者がこちらの部屋に入って来た、やっと終わったのだろう。



「・・話は別の場所の方が良いでしょう」

「そうか…
応接室で良いかね?」


こう言うところを見たら、何かあったのは確か…


私は応接室へと行く為、ソファーから立ち上がった。


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