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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第15章 束の間-早乙女邸-
急遽通した応接室で、医者の方は渋い顔。
「・・・
結論から言えば、よく保っていたと…
外傷に加え心的疲労、被害者的恐怖概念……
倒れなかったのは若さのせいか、本人の気力だったのか……」
「それほどか……」
予想はしていたが、こうはっきりと言われれば、堪えるものがある。
「気にしていた腹部ですが、予想の範囲ですが蹴られたが為の外傷…
此処ではエコー検査しか出来ないが、内臓には支障が無かったのが不幸中の幸いと言ったところですね」
「腹部に蹴り……」
「物を使った打撲と考える事も出来ます‥が、外傷の範囲と痣の広がり具合から考えれば、蹴り‥それも数度腹部に入れられた‥それが的確な判断に近い‥個人的な会見ですが……」
「いや、あなたほどの医者の判断だ、間違いないは無い‥私はそう思う」
日本でも指折りの医者の判断だ、個人的な会見というより、間違い無く当たり……
しかし、女性‥女子高生相手に、蹴りまで入れられる神経が分からない。
「外傷の方は傷が多く、未だ傷口が開いている分は適切な処置をしました‥が…
既に痕になっている傷は、形成外科と皮膚科、それと美容外科……
それらで、それぞれ処置を行わなければ、完全には消えない‥いや、どうしても数ヶ所は残ってしまう可能性も‥特に背中の2ヶ所の傷が深いので、美容外科でも完全に消すのは不可能」
「はぁ・・・」
そこまでの酷い傷…
一生消えない程、深い……
吉田春夫という人間は、そこまで女性を痛め付けても、何も感じない人種…
教師の皮を被った外道、女性を家畜か何かとしか考えない、最低な奴という事。
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