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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第15章 束の間-早乙女邸-
同じ人間として、吉田春夫のあまりにも卑劣な行動に、最早溜め息しか出ない。
「拒食症の方ですが…」
「・・ああ…」
すっかり考えに耽っていたようだ、人が居るのに私らしくない。
「飲ませていた薬が効いていたようで、血液検査の結果も思った程酷くは無く、食欲も多少あるようなので、現状維持しながら食事量を増やして行くべき‥と…
心的要因の方は、根本的な問題が解決しない限り何とも……」
「それは分かっている、そちらの方は私の方で手を打つ」
「そうですか…
心的要因を取り除けば、拒食症の方は改善に向かうでしょう……
それにしても、未成年にああまで酷い事を………」
「確かに…
とても大人のやる事では無いな」
「・・・
少し余談に近いですが、お嬢さんはピルを服用し、妊娠の可能性は避けていたようですね…
だが、ピルは副作用もある、なるべくなら飲ませない方がいいが、現在はそうもいかないのでしょう?」
「そういう事をしていたのか…」
「頭の良い子ですよ…
あの感じだと不特定多数も考えられますが、子宮や膣には全く影響は無かった…
それに薬を使った感じも無い、多少の酒と煙草そんな程度‥まだ普通の範囲で止まっていたようで……」
「考えて行動していた…」
「そのようです」
夜遊びをしても、計画的に危ない事は避けていた訳だ…
確かに、頭の回る美紀らしい行動。
「根気と外科的治療…
体力はありそうなので、どれくらいリラクゼーションを取れるか、それが鍵になるかと…
後、食事はなるべく本人の好みの物で量を増やしていき、後の不足の栄養分は薬で暫くカバーしましょう」
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