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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第17章 早乙女会長の策略



「・・やっぱり最後は向日葵・・」


あの時、紀永に答えた通り、一番最後に書いた絵は…
一面の青空と太陽に向かって咲き誇る向日葵畑。



「こんなに書けたんだね……」


ぁたしが書いた筈なのに、他の人の絵を見てるみたい…
何故か書いた物の記憶が無い‥うんん、ぁたしが故意に忘れようとした、思い出に繋がるものだから。


見終わったスケッチブックをそっと横に置き、パソコンから必要なデーターを抜いて、これで殆ど揃った。



「後‥無いよね?」


目の前の机にある物は、付属高に行ってた頃の物ばかり、今のぁたしには必要が無い。


タンスも一通り見たし、欲しい本は重ねて置いた。



「よっ……」


だいたい揃ったので、ぁたしはベッドに腰掛け一息…
そうベッドと言えば……



「眼鏡・・・」


あの日、彼奴に飛ばされてから、ぁたしは眼鏡を掛けていない…
向こうに居たせいでもあるケド。



「どうしよう」


変わりの眼鏡なら、数個あった筈…
ベッドの横を探ったら‥あった眼鏡……


掛けようと眼鏡を顔に近付けてチョット迷う…


眼鏡はあの人‥紀永を忘れる為に掛けたんだ…
でも、今は紀永と一緒に居るのに眼鏡は必要??



「ケド…
まだ彼奴の事もあるし……」


必要無いと言ったら、必要無いのかも知れない、でも彼奴の存在が、ぁたしに眼鏡を必要とさせる。



「・・・・・」


久しぶりに掛けた眼鏡、硝子越しの世界、現実を見たく無かったぁたしの最後のお守り。


そう、ぁたしは全てから逃げていた、だから……



「うん、要らない」


ぁたしは眼鏡を外してしまう。



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