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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第18章 緊迫-逃走-
まだ震えながらも何とか階段を上り、アトリエ内のリビングのソファーに座った。
「走って喉が渇いていませんか?
此処は‥市販のココアしか無かったと思いますが…」
「あ‥はい…
すみません、気‥使って貰って……」
「いえ、当然の事ですので、気になさらず」
確か‥キッチンに電気ポットと市販のココアは置いていた…
コーヒーがまだ飲めない美紀様の為に、会長が用意しようと言った物。
このアトリエ内は、極力普通に見せ掛けるため、屋敷で使うような調度品は置いていない、全て街の家具屋かデパートで揃えている。
ただ1つ、厳重なセキュリティー対策以外は……
「・・どうぞ・・・」
「ありがとう……」
マグカップに入れたココアを飲んで、美紀様は漸く落ち着きを取り戻したよう。
通路に‥コンクリート作りの通路に長い時間座っていたので、身体が冷えただろうと思い、奥からブランケットを1枚拝借し、美紀様の膝に……
私には、それくらいしか出来ない。
「会長が来られれば良かったのですが、生憎仕事は長引いていまして…
多分ですが、もう少しで終わるだろうとは思いますが……」
「紀永は仕方ないです、仕事ですもん…
でも、遠藤さんが来てくれて安心しました」
「私なんかで……」
「うんん…
紀永が、何かあったら遠藤さんに相談しなさいって言ってた…
本当に、助けてくれてありがとう、ぁたし1人だったら彼奴に捕まって今頃……」
思い出したのか暗い瞳……
「大丈夫です…
会長も私も美紀様を守りますから……」
「・・うん……」
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