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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第18章 緊迫-逃走-
「それと、新しい携帯を会長から貰っていませんでしたか?」
「携帯?
貰ったケド……」
「その携帯に、短縮で会長と私の番号が登録されている筈です…
もしもの場合、コールさえして頂ければGPSで美紀様の位置が確認出来るようになっています、今日はアトリエで済みましたが、本当に緊急の時は携帯でコールだけして下さい、早急に手は打ちますので……」
「そんなの付いていたんですか!?」
「聞いていませんでしたか?」
「紀永と遠藤さんの番号が入っているとだけ……」
余計な事を言ってしまったのだろうか?
多分、会長は美紀様を心配させないように敢えて言わなかった‥そう推測出来る…
私もまだまだ思慮が足りない。
「緊急用です、普段は作動しません…
短縮でコールした時だけ作動する仕組みですので、普通に電話を掛けるのには支障は無いです」
「そうなんですか?」
「はい、もしもの為ですから」
フォローは入れたが、美紀様は何となく納得してない様子‥本当に口が滑った。
不思議と、美紀様相手は口が軽くなる…
秘書として内外で仕事をしている時より、自然に言葉が出てしまう。
「・・遠藤さんも座りませんか?
ずっと立ったままって、ぁたしも居心地悪いですし…」
「え?
ああ‥ではお言葉に甘えて……」
美紀様の言う通り、立ったままも不自然と思い、向かい側のソファーに座る事に……
良く会長にも言われる、プライベートなんだから少しは寛いだらどうか‥と。
私としては、仕事として此処に来たつもりだったのだけど………
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