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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第19章 動く光と影



「どうしたの?
おいで……」


優しく笑って、ぁたしに向かって手を出す紀永に勝てず、紀永を後ろにぁたしもシャワー………


ホントはまだ傷痕を見られる事に抵抗がある…
行為中はお互い密着してるからまだ良い、でもこうなると背中の傷痕がハッキリ見られてしまう。


彼奴に縛られ鞭打たれた傷痕…
一番酷いのは薄くはなるが消えないって、先生に言われた‥だからずっとこのまま。


背中の中心くらいの場所だから、普通に生活するなら目立たない…
だけど、こういう状態になったら、イヤでも意識してしまう。



「考え事??」

「・・・え?」

「何となくボーっとしてるから」

「・・うん…
傷‥消えないなって……」

「私は気にしないよ」

「ぁたしが気になるもの………」


紀永は知っていると思う、この傷痕が消えない事‥そう、一生消えないって。



「あまり悲観的に考えない…」

「分かってる……」


前向きに‥ぁたし自身が思ったんだ、傷痕を見る度後ろ向きになってたら、何時までも変わらない。




手早くシャワーを済ませ、まだ半分濡れ髪のまま朝食…
紀永の方はキチンとスーツ姿だけど……



「そう言えば…
今日は少し仕事の方は時間が掛かるから」

「うーん…
だったらパソコンに居座りかなぁ??」

「進んだ?」

「何とか少しずつだけど……」

「一長一短で出来る物でもないから」

「のんびりやってるよ?」

「それで良いと思うがね」

「うん……」


こんな調子で、何時もの朝食…
やっぱり、紀永と話しながらの方が楽しい。



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