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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第19章 動く光と影
相も変わらず、変わり映えしない狸共の派閥的言い争い…
会議の本筋から外れる事は無いが、社長‥つまり私派と、立場が弱めの常務派との静かな闘争。
私含む社長・副社長・専務取締役は早乙女派という派閥。
常務取締役以下、部長クラスの一部を集めたのが常務派閥。
力関係はこちらが上だが、実務面を取り仕切る、部長クラスを味方に付けている常務派も侮れない。
変わらずの展開で、会議は淡々と進む・・・・・
「お疲れ様でした会長」
「大した収穫は無かったな…」
もう一度資料を見ながら、無難に終わった会議の感想を一言。
「・・・
今回は常務派も納得のようです」
「なるほど…
会議は建て前か、部長共を納得させる為に……」
「・・そのようで……」
「では捨て置いて構わない、この件で事を荒立てる気は無いだろう」
「承知しました」
全く狸共の考えそうな事だ…
最終判断は私にあるから、ただ承諾を得ようとしただけの、つまらん会議だっただけの事。
無駄な時間…
そう切り捨てたいが、此処まで大会社だとそうもいかない、面倒な建て前工作。
「まあ良い…
何事も無く会議は終了したのだから」
見終わった資料を横に置き、今日の採決書類に目を通す‥こちらの方が通常、これも変わらないが……
昼を超えたところで、仕事はほぼ終了と思ったら、遠藤が新たな書類を持参して執務室に入って来た。
「・・
これを・・・」
「??」
内容を確認してみれば…
なるほど、遠藤が最後に持って来る訳だ。
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