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第19章 動く光と影

「随分手回しが良いね？」

「押さえる事自体に、さほど苦労はしませんでしたので…」

「そうか…
これは本格的に、説得を急がなければならなくなったか…」


この間の話…
そろそろ美紀の説得を開始しなければならないだろう…
承諾してくれるか怪しい限りだが。


計画の方は出来ている、たまたま見付けたあのラブホの情報から、早乙女の名を使って手を打ち、カメラを仕込む事も可能。



「まさか‥うちの系列だったとは…
何時の間にラブホ事業なんかに手を出したんだい？？」

「手を出したというより、吸収合併した子会社の中に含まれていたようです…
利益が上がっているので、そのままだったのでしょう」

「大きくなり過ぎるのも困ったものだ、余計な物まで付いて来る…
だが、今回はその余計が助かる事になるがね」

「一部屋だけ改装を施します…
見た目は変わらずに、カメラと脱出手段の為の仕掛け、オートロックの操作、制御系は隣の部屋で一括管理…
後必要な物はありますか？？」

「いや十分だ…
そして、あの男が逃がすのだろう？」

「それなんですが……」


なにか問題でもあったか？？



「画像録画を緻密に行いたいと申し出がありまして、外までの誘導は出来ますが、そこから先が……」

「証拠を完璧な物にしたいと？」

「はい…
何事も自分の手でやる奴なので……
部屋から外までの脱出補助はしますが、確実な証拠と、こちらの証拠隠滅の為に残って作業を優先したい、それが希望です」


確かに一理ある…
もし吉田春夫にカメラが見付かってしまったら、計画は台無し。



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