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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第19章 動く光と影



この際割り切って、こちらから人を出すか…
だが、誰を出す?



「証拠隠滅も大切な事だ…
部屋を改装するのは良いが、すぐさま撤収出来る準備があるのか……」

「そこはまだ…
もう少し煮詰めなければなりません」

「そうか…
後、こちらから出せる人材は??」

「・・・
吉田春夫の件に関しましては、私と会長しか知りません…
仮にこちらから誰かを出せば、美紀様と吉田春夫の事がバレる可能性も……」

「ふむ………」


遠藤の言う通り、美紀が私の娘だと屋敷内に公表したが、吉田春夫の件はあくまでも秘密裏。


うちの秘書達ですら、はっきりした事は分かっていない筈…
それを出したら不味いものがある‥か……



「さて困ったね…
美紀を外に出したは良いが、逃走する手段が走るだけになってしまう、吉田春夫も二度は簡単に逃がしてくれないだろう」

「・・
そうですね、しかしこの間の事で私は顔が割れていますので、出る訳にはいきません」

「そうだったな…」


アトリエで遠藤は吉田春夫と対峙している…
それも早乙女の第一秘書と名乗っている為、この計画に顔を出しての参加は不可能。


となれば残るは……



「なりふり構っていられないか…
私が出るよ」

「会長が!?」


遠藤が驚くのもまあ‥無理もないか……



「言っただろう?
なりふり構っていられないと…
これでも体力には自信があるのだがね」

「ですが…
もしなにかあったら……」

「あくまでも杉田季永で通すよ、警察にでも捕まったら‥まあその時だ」

「何をなさるおつもりで…??」



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