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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第19章 動く光と影
美紀に取って吉田春夫は最も恐れる存在…
その吉田春夫に、短時間でも2人きりで会い、そういう行為に持って行くのは、並大抵の事じゃない。
恐怖心の克服…
この間は何とか働いてくれたが、2人きりとなるとどうなるか、私ですら予想は付かない。
幾らこちらがお膳立てをしても、美紀が動かなければ何も始まらないのだから・・・・・
仕事も話も一段落し、執務室から解放された私は漸く私室へ。
中を覗いて見ると、パソコン画面に真剣になっている美紀の姿。
あの2日間だけ居なかった時、密かに進行状況を見る為、プログラムを開いた。
正直驚いた…
まさかあれほど構築していたとは……
一切資料になる物は渡さず、全て美紀の記憶と能力。
独学だと‥そんな教室に通った事は無く、手短にネットと本を見ただけだと美紀は話していた。
それだけで、これだけのプログラムを作れるものなのか??
私ですら子供の頃から教えを受けて、此処までの腕になったのに、美紀はどこまで能力を秘めているのだろう??
(そういえば‥倉原が話していたな…)
あの付属高はクラス分けをするに当たって、受験の成績と、入学直後のミニ模試によって決められる。
美紀は受験もミニ模試もトップ、勿論進学コースに振り分けられ、成績が落ちた事は無かったとか……
入学早々、東大とか留学とかの話が舞い込んで来て困ったと、倉原は話していた。
潜在的能力で言えば、私より遥かに上…
本格的に誰かを付け、しっかり勉強させてやりたい。
美紀にはまだまだ将来の可能性がある、どんな将来どんな職業に付くかは美紀次第、多分マルチにどの職業でも向いているだろう。
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