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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第19章 動く光と影



「シャワー浴びて着替えてから地下に行くが、一緒に行くかい?」

「うん行くよ」

「そうか…
じゃ少し待っていて…」


もう少し抱き締めていたい気持ちもあるが、思いを振り切り美紀を離し、着替えの為にシャワーへ……



(毎回これだけは面倒だ…)



仕事用に髪を上げているので、シャワーで流さないと、落ち着くものも落ち着かない。


かと言って、急遽仕事が入ればまた…
流石に繰り返しは嫌になる。


普通だと、どうしても若く軽く見られるので、仕方ないと髪を上げたスタイルを取ったが、もう少し考えるべきだったか?



「と‥考えてもね……」


今更変える訳にもいかなく、暫くはこのままだろう‥本当に面倒だが。



やっと髪を下ろして、何時ものTシャツにジーンズ、本来の私はこっちの方が落ち着く。


元々、服装に拘りは無く、基本ラフな格好ばかり…
見た目より実績と頓着する気も無かったが、幾ら何でも会長がTシャツにジーンズ姿という訳にもいかず‥だ。





「はぁ--」


思い出すのは先程の話‥どうするべきか……


今、美紀に話しても、この中途半端な状態じゃ、拒絶されるのは当たり前。


全てが揃うまで、後どれほどの時間が必要か?


早く吉田春夫の尻尾を捕まえ、美紀を解放してあげたい気持ちは山ほど……


敢えて見ないふりをしているが…
夜中に、電源を落としている携帯を見てるのには気付いている、それも浮かない顔で……


かなりの数の吉田春夫からの着信がある‥そう見ている。



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