この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第19章 動く光と影
「シャワー浴びて着替えてから地下に行くが、一緒に行くかい?」
「うん行くよ」
「そうか…
じゃ少し待っていて…」
もう少し抱き締めていたい気持ちもあるが、思いを振り切り美紀を離し、着替えの為にシャワーへ……
(毎回これだけは面倒だ…)
仕事用に髪を上げているので、シャワーで流さないと、落ち着くものも落ち着かない。
かと言って、急遽仕事が入ればまた…
流石に繰り返しは嫌になる。
普通だと、どうしても若く軽く見られるので、仕方ないと髪を上げたスタイルを取ったが、もう少し考えるべきだったか?
「と‥考えてもね……」
今更変える訳にもいかなく、暫くはこのままだろう‥本当に面倒だが。
やっと髪を下ろして、何時ものTシャツにジーンズ、本来の私はこっちの方が落ち着く。
元々、服装に拘りは無く、基本ラフな格好ばかり…
見た目より実績と頓着する気も無かったが、幾ら何でも会長がTシャツにジーンズ姿という訳にもいかず‥だ。
「はぁ--」
思い出すのは先程の話‥どうするべきか……
今、美紀に話しても、この中途半端な状態じゃ、拒絶されるのは当たり前。
全てが揃うまで、後どれほどの時間が必要か?
早く吉田春夫の尻尾を捕まえ、美紀を解放してあげたい気持ちは山ほど……
敢えて見ないふりをしているが…
夜中に、電源を落としている携帯を見てるのには気付いている、それも浮かない顔で……
かなりの数の吉田春夫からの着信がある‥そう見ている。
・