この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第20章 絡める罠-滑走-
「美紀が出た…
私達も行こうか……」
「はい、私は先行します、監視と操作の為に……」
「私は外で待機だね…
中の状況が分からないのは痛いが、走る美紀を見落とす事はしないだろう」
何時ものTシャツにジーンズの上に、久しぶりに引っ張り出したライダージャケットを羽織りながら、同じくスーツ姿では無く、ラフな格好の遠藤と一緒に、屋敷の入り口に向かいながら最終確認。
「それですが会長、この無線機をお持ち下さい」
「無線機?」
渡されたのは、小型の無線機にイヤホンが付いた物。
「急遽用意したので、距離が離れ過ぎると使い物になりませんが、ラブホから待機場所までの距離でしたら、十分使えます…」
「そっちから状況説明かい?」
「はい、仕掛け発動から、美紀様の脱出まででしたら、その無線機で事足りますから」
「そうか……」
遠藤から貰った無線機をポケットに入れ、イヤホンを耳に‥これなら邪魔にはならない。
「では私は…」
遠藤は先に車でラブホに向かう……
私はと言うと、横の駐車場の奥に眠るバイクの元に……
「懐かしいね……」
美紀の為のヘルメットを用意し、私もヘルメットを被りバイクに跨がる。
本当に久しぶりの感覚‥気楽な頃に戻ったような………
「さあ‥行くかね……」
エンジンを掛け、そっとバイクを走らせて見る…
大丈夫、感は鈍って無い。
少しだけ敷地内で馴らしてから、私は本格的にバイクを吹かせ、目的の待機場所へと向かった。
・