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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第20章 絡める罠-滑走-
さて‥どこまで引き離せるか……
ラブホがある脇道から街中へ…
だが、思ったより車が少ない。
こういう場合、車が沢山居てくれた方が、バイクの利点で追い越しを掛け、引き離せるものを……
「参ったね……」
『えっ!?』
「通行している車が少ない、これだと追い付かれるとまではいかないが、引き離し巻くのに時間が掛かる」
サイドミラーを見れば、かなり後ろだが、車のライトが見える…
先程街中に出た時には、後続車は居なかった、とすれば吉田春夫の車と見て間違いだろう。
歩きではあるまいし、バイクでは街中を直ぐ過ぎてしまう、一般道に入り更にスピードを加速……
「寒く‥ないかい?」
『・・少し・・』
幾らジャケットを着せたとはいえ、下はスカートのまま…
流石に初雪も降ったこのシーズンでは、寒いに決まっている。
「すまないね…
止まってる余裕もなさそうだ」
『・・ぁたしなら大丈夫だよ・・』
「そう言ってくれると、ありがたいね…
とは言っても、このままずっと追い掛けられるのも少々……」
このヘルメットは2つ組で、中にスピーカーとマイクが内蔵されていて、交互で会話が可能‥使うと思って持っていた訳では無いが、まさか役に立つ時が来るとは‥分からないものだ。
「どう‥巻くべきかね…」
『・・・・・』
この辺一帯の地理くらいは頭に入っているが、車が少ないのが仇になって、上手く巻く事が出来ない。
付かず離れず付いて来る車に、Uターンや脇道なんかを駆使して放そうと試みるが、向こうも中々しつこい。
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