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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第20章 絡める罠-滑走-



『このままじゃ…』

「何時かは追い付かれるか弾かれるかするね…
仕方ない住宅街に入るよ」

『えっ!?
それもヤバっ、サツが来る!!』

「勿論分かってる…
かといって、このままは私も不味いと思うからね…
美紀、ポケットの携帯の短縮ボタンを押せるかい?」

『??
ちょっとやって見る』

「暫く大人しめで走るから」


美紀の片手が離れ、こちらも少しスピードを緩める‥あまり長い間は無理だ、性能とスピードでこちらが不利になる。



『・・・・・出来た!』

「良し、またしっかり掴まって、住宅街だから、かなり振られる」

『うん……』


これだけの時間が経過しているのだ、遠藤は屋敷に撤収しているだろう。

そして美紀に押させた短縮ボタン、これでGPSが作動する。



「後は可能性に掛けるかね…」

『どうするつもりなの??』


不安そうな美紀の声、これに突っ込んだ時点で、追い掛けられる事は分かった訳か………



「遠藤が屋敷に戻っていたらGPS反応を受信し、反応を追い掛けている筈…
だからこちらは住宅街を蛇行しながら、直接屋敷に入る!」

『え--!?』


驚くのも無理ないか…
だが、一番巻ける可能性があるのはこの方法だ。



『あの場所‥一番サツがウッサイ』

「だろうね…
こちらが捕まらない前に逃げ込もう」

『う‥うん……』


屋敷の敷地内に入ってしまえば、どうにでもなる、屋敷までの住宅街が運命の分かれ道‥か……


ただ吉田春夫を巻くだけだと思っていたのに、とんだ事になったものだ。



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